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室温で実用的な特性を実現したLiイオン電池用高分子固体電解質の合成に成功

ーミクロ多孔膜と光架橋高分子電解質の複合化で達成ー
東北大学材料科学高等研究所の藪浩准教授(ジュニアPI、東北大学ディスティングイッシュトリサーチャー、同大学多元物質科学研究所兼務)、グレワル マンジット シン助手、および同大学金属材料研究所の木須一彰助教と折茂慎一教授(材料科学高等研究所長)の研究グループは、ミクロンサイズの孔が蜂の巣状に空いた厚さ数ミクロンの高分子多孔膜と、光架橋性ポリエチレングリコール系高分子電解質を複合化することで、Liイオン伝導度が液体と同等で実用的に十分な10-4 S/cmクラスで、広い電位窓(4.7 V)、高いLiイオン輸率(0.39)を実現しました。

リチウムやナトリウム金属の針状析出発生抑制に成功

李弘毅 特任助教、村山将来 大学院生(当時、大学院工学研究科)および市坪哲 教授は、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩をリチウムイオンやナトリウムイオンを含有する電解液に添加することにより、一価カチオン(陽イオン)の溶媒和構造が改変され、リチウムやナトリウム金属析出の活性化過程が制御されて、平坦な析出形態を維持できることを発見しました。これは、金属負極電池に向けた新たな電解液設計指針を与えるものです。