材料評価・解析研究ユニット」カテゴリーアーカイブ

東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センター髙橋幸生教授(E-IMR材料評価・解析研究ユニット)テンダーX線タイコグラフィで世界最高の空間分解能を達成 ~3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuを用いた初の学術論文~

 概要   2024年4月より東北大学青葉山新キャンパスに整備された3GeV高輝度放射光施設「NanoTerasu」の運用が開始されました。NanoTerasuは大型放射光施設SPring-8(注2)と比べて、低エネルギ… 続きを読む »

完全水和と大量の酸素空孔により世界最高クラスのプロトン伝導度を示す新六方ペロブスカイト関連酸化物を創製・発見 -中温で高性能な燃料電池を低コストで製造可能に-

概要 東京工業大学 理学院 化学系の八島正知教授、松崎航平大学院生(研究当時)、齊藤馨大学院生は、中低温で世界最高クラスのプロトン(H+、水素イオン)伝導度を示す新物質Ba5Er2Al2SnO13を創製・発見した。さらに… 続きを読む »

入れ子状にした物質への光照射で生じる新しいエネルギー現象を観測

概要 カーボンナノチューブを窒化ホウ素ナノチューブで包んで入れ子状にした筒形の構造体に光を照射すると、両者の間に電子の抜け道が発現することを発見しました。超高速光デバイスの開発や光照射で生じる電子などの超高速操作、デバイ… 続きを読む »

酸化ルテニウムは本当に第三の磁性体か?〜素粒子ミュオンと第一原理計算で挑む「悪魔の証明」~

本研究成果のストーリー 概要   普通の金属は磁石に引き寄せられず、「常磁性体」と呼ばれます。常磁性体の内部では、金属の原子が持つ電子のスピンと呼ばれる性質がてんでばらばらの方向を向いています。一方、鉄やニッケルなどは磁… 続きを読む »

理論計算と機械学習により無機材料表面の性質を高精度かつ網羅的に予測 -光触媒材料などの探索や電子・光電子デバイスの設計を支援-

発表のポイント 概要  東京工業大学 科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の清原慎JSPS特別研究員(研究開始時。現:東北大学金属材料研究所 助教)、大場史康教授は、産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 電池技… 続きを読む »

素粒子ミュオンで半導体材料における水素の挙動を解明 〜次世代不揮発性メモリー開発に期待~

本研究成果のストーリー 概要   半導体の電気特性は材料中に存在する不純物の量に左右されることが知られています。例えば純度の高いシリコンはほとんど電気を通しませんが、微量のリンやホウ素を添加すると電気抵抗が下がり、半導体… 続きを読む »

無害で安価な新規太陽電池材料の発見 人類最初のセレン太陽電池からヒントを得て

太陽電池は環境に優しいエネルギー源として過去数十年にわたり高い注目を集めてきました。太陽電池の中核をなす光を電気に変換する材料には、主に元素周期表14族(Ⅳ族)のシリコンが使われてきました。しかしシリコンは電気への変換効… 続きを読む »

硫黄の化学状態を50ナノメートルの高分解能で捉える計測技術を確立

ーリチウム硫黄電池の反応・劣化メカニズムの解明に期待ー
東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの高橋幸生教授(理化学研究所放射光科学研究センター チームリーダー、金属材料研究所先端エネルギー材料理工共創研究センター)と石黒志助教(理化学研究所放射光科学研究センター 客員研究員)、東北大学大学院工学研究科の阿部真樹大学院生(理化学研究所放射光科学研究センター 研修生)、住友ゴム工業株式会社の金子房恵博士(東北大学多元物質科学研究所 助教)と岸本浩通博士、理化学研究所放射光科学研究センターの初井宇記チームリーダー、高輝度光科学研究センターの為則雄祐室長らの共同研究グループは、リチウム硫黄電池正極材として開発された含硫黄高分子粒子の内部における不均一な硫黄化学状態を非破壊で可視化することに成功しました。

特定のレアメタルだけには依存しないリチウム蓄電池正極材料の合成に成功

河口智也 助教、卞篠(Bian, Xiao) 氏(東北大学大学院工学研究科修士課程学生)および市坪哲 教授らは、従来のように少数の元素種を混合するのではなく、発想を逆転させ、多数の元素を同時に混合してエネルギー利得(配置エントロピー)を高めることで、層状酸化物構造で構成される単一の相からなる正極材料の合成に成功しました。これにより、これまで利用が困難であった元素が利用可能になるだけでなく、新たな物性の発現や、分解抑制による安全性の向上、特定元素への依存による商業的リスクを低減した、新規な材料開発が可能になると期待されます。