月別アーカイブ: 2022年9月

排ガス浄化のための酸素貯蔵セラミックスを低温作動化

ーEUの排ガス規制厳格化への対応に期待ー
東北大学大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻の高村仁教授(金属材料研究所先端エネルギー材料理工共創研究センター兼任)らは、セリウム・ジルコニウム系酸化物にコバルトと鉄を固溶させ、400 ℃という低い作動温度で従来の13.5倍の酸素貯蔵量を達成しました。

貴金属不要な低コスト・高効率水素発生用の触媒候補材を開発 

ー脆く溶けにくく加工性の悪い金属間化合物の3次元ナノ構造化を実現ー
東北大学金属材料研究所の加藤秀実教授(非平衡物質工学研究部門、先端エネルギー材料理工共創研究センター兼任)、大学院工学研究科博士後期課程3年生の宋瑞瑞(日本学術振興会特別研究員)および学際科学フロンティア研究所の韓久慧助教(研究当時)らの研究グループは、金属液体中で生じる脱成分反応を利用した独自の「金属溶湯脱成分法(Liquid Metal Dealloying Method)」を用いて、従来法では困難であったMo-Co系金属間化合物の共連続ナノポーラス化に成功しました。

印刷で高品質なシリコンゲルマニウム半導体を実現

ー超高効率多接合太陽電池の飛躍的な低コスト化に貢献ー
東北大学金属材料研究所の藤原航三教授は、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学大学院工学研究科の福田啓介博士前期課程学生(研究当時)、宮本聡特任講師、宇佐美徳隆教授、大阪大学大学院工学研究科・東洋アルミニウム半導体共同研究講座のダムリン マルワン 特任教授(東洋アルミニウム株式会社シニアスペシャリスト)、奈良先端科学技術大学院大学の浦岡行治教授らとの共同研究において、高品質なシリコンゲルマニウム半導体を非真空で実現することに成功しました。

硫黄の化学状態を50ナノメートルの高分解能で捉える計測技術を確立

ーリチウム硫黄電池の反応・劣化メカニズムの解明に期待ー
東北大学国際放射光イノベーション・スマート研究センターの高橋幸生教授(理化学研究所放射光科学研究センター チームリーダー、金属材料研究所先端エネルギー材料理工共創研究センター)と石黒志助教(理化学研究所放射光科学研究センター 客員研究員)、東北大学大学院工学研究科の阿部真樹大学院生(理化学研究所放射光科学研究センター 研修生)、住友ゴム工業株式会社の金子房恵博士(東北大学多元物質科学研究所 助教)と岸本浩通博士、理化学研究所放射光科学研究センターの初井宇記チームリーダー、高輝度光科学研究センターの為則雄祐室長らの共同研究グループは、リチウム硫黄電池正極材として開発された含硫黄高分子粒子の内部における不均一な硫黄化学状態を非破壊で可視化することに成功しました。