貴金属不要な低コスト・高効率水素発生用の触媒候補材を開発 

投稿者: | 2022年9月14日

ー脆く溶けにくく加工性の悪い金属間化合物の3次元ナノ構造化を実現ー

東北大学金属材料研究所の加藤秀実教授(非平衡物質工学研究部門、先端エネルギー材料理工共創研究センター兼任)、大学院工学研究科博士後期課程3年生の宋瑞瑞(日本学術振興会特別研究員)および学際科学フロンティア研究所の韓久慧助教(研究当時)らの研究グループは、金属液体中で生じる脱成分反応を利用した独自の「金属溶湯脱成分法(Liquid Metal Dealloying Method)」を用いて、従来法では困難であったMo-Co系金属間化合物の共連続ナノポーラス化に成功し、これが白金系触媒に比肩する優れた水素発生反応触媒能を呈することを明らかにしました。金属間化合物の更なる元素・組成の最適化、および、ポーラス形態の最適化を通して、白金系を凌駕する低コスト・高効率のHER触媒の開発が期待されます。

本研究成果は、英国科学雑誌「Nature Communications」 に英国時間2022年9月2日に掲載されました。

Ni70(Co0.55Mo0.45)30前駆合金を700℃のMg液体中に2分間浸漬する金属溶湯脱成分法によって共連続オープンセル型ナノポーラス金属間化合物Co7Mo6(np-Co7Mo6と表記)を作製する各工程における試料のX線回折図形とSEM像(前駆合金(a, d)、Mg成分除去前のCo7Mo6/Mgナノコンポジット(b, e)、および、np-Co7Mo6(c, f))。

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